海外から物品を輸入したり、また海外へ輸出する際、税金がかかります。税金は国や物品によって異なり、その国の税関を通すために複雑な通関手続き(税関手続き)や申告が必要です。その税関への手続きを代行したり、申告するための通関書類の作成、関税計算書などの審査、貨物出し入れの立ち会いなどを行うのが通関士の仕事です。
通関士は、輸出入(沖縄では輸入がほとんど)の代理・代行を行う通関業者に所属して業務を行います。ちなみに通関業務を行う企業には、通関士を配置しなければならないことが法律で定められています。
財務省管轄の通関士資格(国家資格)を取得する必要があります。一般的に通関業務を行う企業に入って、働きながら通関士資格を取ることが多いようですが、専門学校などで勉強し、資格取得後、関連企業に勤める場合もあります。
通関士試験に受験資格はありません。試験は独学で受験することもできますが、内容が専門的なため、通関士受験専門校で講座を受けたり、通関業務の実務経験を積んだ後、受験することが多いようです。
通関業者に所属する会社員なので、ほかの従業員と同等の給与体系がほとんどです。企業によっては資格給を加算する所もあるようです。
一般的な会社員と同様、昼勤で土、日曜日の週休二日が多いようです。まれに、輸入された貨物の立ち会いのため、土日に出勤することもあるそうです。
通関士試験の2007年度受験者は、全国で約一万人、合格率は約7.7%とかなりの狭き門(沖縄地区税関では9人の合格者)となっています。
沖縄に限らず、全国の通関業者のほとんどは、運送業や倉庫業、航空貨物代理店などを兼業しているのも特徴です。
上記記事は沖縄仕事図鑑を発刊した当時(2008年)の内容を参考にしております。収入や資格、なるための条件、勤務体系などが記載と変わっている場合がございます。※賃金などは下記の参考賃金データもご参考ください。
その他の専門的職業
求人平均賃金 190,000円(常用フルタイムのみ)
【那覇公共職業安定所 業務日報<令和2年3月>より】
※『求人平均賃金(那覇公共職業安定所 業務日報)』について
雇用契約において雇用期間の定めがないか又は4か月以上の雇用期間が定められた求人が対象。※月額表示となります。
千円未満は切捨て表示となります。
※数値は公的な調査データに基づいたもので、あくまで目安であり、実際と異なる場合もあります。