水先人(パイロット)

水先人(パイロット)

物流・運輸・交通

どんな仕事?

 地域の海域や港に不慣れな外国船や大型船などが入港するとき、その船の要請で船に乗り込み、船長を補助しながら護岸まで安全にスムーズに導くのが水先人の仕事です。船舶の専門知識はもちろん、沖縄特有のサンゴ礁の入り組んだ狭い海域を航行するため、周辺の地形・水路・海流などを熟知した専門家でなくてはなりません。

なるには?

 水先人免許(一級から三級・国家資格。平成十九年四月から取得方法が一新されました)が必要です。資格を取得するには、三つのステップがあります。
 一つ目は、船長として総トン数3千トン以上の船舶で3年以上の乗船経験があること。二つ目に、国土交通大臣の行う水先人試験(一般的法規や操船技術に関する試験)の一次試験に合格した後、水先人になろうとする水先区での実習を受けること。そして、三つ目に、その水先区に関する国家試験(二次試験)に合格することです。
 近年の水先人不足に対処するため、平成十九年度から水先人育成のために登録水先人養成施設(東京海洋大学、神戸大学、海技大学校の専攻科)が新設され、今後ますます注目される職業です。

収入は?

 水先区(全国に三九区)や水先案内した船舶数、総トン数などで異なります。ちなみに、水先料金は、水先法(国土交通省令)によって定められています。

休みや勤務時間は?

 入出航する船舶の予定(要請)によって決められるため、24時間体制でスケジュールが組まれます。休日は不定期。
 那覇水先人会の場合、現在4人の水先人が、那覇港はもちろん、金武や中城、ホワイトビーチなど全島の港へ飛び回って活躍しています。

ひとこと

 沖縄の海の玄関口・那覇港の航路には、大航海時代の水路名、「唐口」「大和口」「宮古口」といった名称が現在でも脈々と受け継がれています。

上記記事は沖縄仕事図鑑を発刊した当時(2008年)の内容を参考にしております。収入や資格、なるための条件、勤務体系などが記載と変わっている場合がございます。