琉球ガラス職人

琉球ガラス職人

マスコミ・デザイン・芸術

どんな仕事?

 沖縄の工芸品、琉球ガラスをつくる仕事です。溶けたガラスは常に動いています。素早く作業を進めなければならず、高い技術が要求されます。五人一組程度の班で作業を行い、手際よく息の合った連携で巧みに作品をつくります。工程は①坩堝(るつぼ)の中から溶けたガラスを吹き竿(鉄パイプ)の先に巻き取ります。作品の大きさに合った量のガラスを巻くには経験が必要。一年位かかるといわれています。②鉄リン(茶碗のような形)に巻き取ったガラス玉を当て形を整えます。③吹き竿から息を吹き込んでガラスを膨らませます。「吹き」は、宙に浮かせる「宙吹き」と型の上で膨らませる「型吹き」の二種類。吹くほかに、型に押して成形する方法もあります。④底面や飲み口の形を整えます。そのほか、ひび割れ模様などの細工を施します。この工程がこなせるようになれば、自分名義の作品も手掛けられます。⑤製品の底にポンテ(金属の棒の先にガラスの塊をつけたもの)をつけ、吹き竿を切り離します。製品のついたポンテを次の工程担当の職人のもとへ移動し、完成までの橋渡しをすることが見習いの最初の仕事です。⑥仕上げ。一番熟練した職人が担当します。⑦ポンテを切り離したグラスを徐冷炉の中に入れ、一晩冷まして完成です。

なるには?

 特に必要な学歴や資格はありません。最初はアルバイトから始める場合も多いようです。

収入は?

 未経験からのスタートだと初任給は月給11万円程度。経験や実績によって収入は上がります。

休みや勤務時間は?

残業は少ないようです。シフト勤務の週休二日制が一般的。

ひとこと

戦後、空瓶を原料に作り出された琉球ガラス。現在では沖縄を代表する工芸品の一つとなり、琉球ガラスを使ったアクセサリーや建築資材なども誕生してきています。

上記記事は沖縄仕事図鑑を発刊した当時(2008年)の内容を参考にしております。収入や資格、なるための条件、勤務体系などが記載と変わっている場合がございます。※賃金などは下記の参考賃金データもご参考ください。

参考賃金データ(沖縄県)

家具・建具・陶芸・ガラス制作スタッフ
平均賃金 正契/月給160,625円
【沖縄の平均賃金本 2020<2020年出版>より】

美術家、デザイナー、写真家、映像撮影者
求人平均賃金 214,000円(常用フルタイムのみ)
【那覇公共職業安定所 業務日報<令和2年3月>より】

※『平均賃金(沖縄の平均賃金本 2020)』について
沖縄県で発行された代表的求人誌3誌(抜粋)合計15冊に掲載された職種の給与の平均額になります。残業代・諸手当は含まれていません。
冒険王株式会社より発行。

※『求人平均賃金(那覇公共職業安定所 業務日報)』について
雇用契約において雇用期間の定めがないか又は4か月以上の雇用期間が定められた求人が対象。※月額表示となります。
千円未満は切捨て表示となります。

※数値は公的な調査データに基づいたもので、あくまで目安であり、実際と異なる場合もあります。