大型客船や貨物船、フェリーなど、船舶の航海スケジュールを立て、船長の指揮の下、船を安全に効率よく運航させるのが航海士の仕事です。
ほかにも港での荷役の作業を仕切ったり、出航前の水・食料、燃料、船体のチェックやワッチ(航海中の見張りや当直)、係船作業など船上・陸上作業ともにたくさんの業務があります。
海技従事者国家試験に合格し、「海技士(航海/1~6級)」の免許を取得する必要があります。通常は資格を取得した後、フェリー会社や海運会社、官公庁などに勤めて乗船します。
資格を取得するには、海事教育機関(水産高校や水産系大学、海技学校など)で学び、資格試験に合格しなければなりません。
ちなみに海技士の資格は、持ち場(航海、機関、通信)や運航する船のトン数、航行水域などによって分けられています。
基本給は一般的な企業とさほど変わりませんが、乗船手当や時間外手当、資格手当などの手当金が加算されます。
船舶会社によって異なりますが、一般的に三カ月の船上勤務と一カ月の陸上勤務を交互に繰り返すようです。船上勤務の場合は、ワッチと呼ばれる当直時間(4時間単位)を24時間三交替制でこなします。
休日は年間120日前後ですが、船舶の運航や出・入港のスケジュールに左右されます。
船舶数や海事従事者は、年々減少傾向にあるといわれます。その打開策として、一度に大量の物資が運べるよう船舶が大型化しているそうです。ところが、近年の燃料費の高騰が大型船の運航に大きな打撃を与えています。海運会社の関係者によれば、大量の燃料(重油)を消費する船舶にとって、最近の急激な原油高は、これまでにないほどの痛手だそうです。
上記記事は沖縄仕事図鑑を発刊した当時(2008年)の内容を参考にしております。収入や資格、なるための条件、勤務体系などが記載と変わっている場合がございます。