三線(さんしん)職人

三線(さんしん)職人

マスコミ・デザイン・芸術

どんな仕事?

 琉球民謡や古典音楽、沖縄芝居に欠かせない楽器の三線(三絃)をつくるのが仕事です。
 三線の歴史はずいぶん古く、およそ700年前には中国から琉球に伝わっていたようです。その後、琉球王朝が誕生し終焉するまで宮廷音楽の楽器として保護・製作されていて、一般に楽器として普及し始めたのは明治以降だといわれています。
 いずれにせよ、王朝時代に琉球を代表する楽器として改良を重ね、磨かれ、完成した形・製作技術は、伝統工芸の極みの一つであり沖縄の宝です。それを引き継ぎ、つくり出すのが三線職人の仕事なのです。

なるには?

 自分の理想とする三線をつくる三線店や琉球楽器製作工房などに入社して働きながら製作技術を取得するか、個人で三線づくりをしている職人に弟子入りして教えてもらうのがいいでしょう。自分のつくった作品を実際に演奏家に弾いてもらってアドバイスをもらうのも技術上達の近道です。

収入は?

 三線の販売数や修理(皮の張替えなど)数で大きく異なります。ほとんどの三線工房は、個人で材料の購入から製作・販売・修理までを行っているため、こなせる数に限度があり、三線製作のみの収入では生活できないようです。そのため、三線教室や舞踊道場、サラリーマンなど副業を持っている方が多いそうです。

休みや勤務時間は?

 個人工房の場合、勤務時間や休日の規定は特にありません。自分で勤務時間や休日を決めることができるため、比較的自由に働けます。

ひとこと

 近年、全国的な沖縄音楽ブームも手伝って、三線の県外・海外向け販売が好調なようです。県外へは、インターネットを利用した販売が主で、たくさんの三線販売サイトがあります。それに伴い、ウェブページの制作・管理もできる三線職人も多くなっているそうです。

上記記事は沖縄仕事図鑑を発刊した当時(2008年)の内容を参考にしております。収入や資格、なるための条件、勤務体系などが記載と変わっている場合がございます。※賃金などは下記の参考賃金データもご参考ください。

参考賃金データ(沖縄県)

家具・建具・陶芸・ガラス制作スタッフ
平均賃金 正契/月給160,625円
【沖縄の平均賃金本 2020<2020年出版>より】

生産工程の職業
求人平均賃金 199,000円(常用フルタイムのみ)
【那覇公共職業安定所 業務日報<令和2年3月>より】

※『平均賃金(沖縄の平均賃金本 2020)』について
沖縄県で発行された代表的求人誌3誌(抜粋)合計15冊に掲載された職種の給与の平均額になります。残業代・諸手当は含まれていません。
冒険王株式会社より発行。

※『求人平均賃金(那覇公共職業安定所 業務日報)』について
雇用契約において雇用期間の定めがないか又は4か月以上の雇用期間が定められた求人が対象。※月額表示となります。
千円未満は切捨て表示となります。

※数値は公的な調査データに基づいたもので、あくまで目安であり、実際と異なる場合もあります。