仕事の自覚は25歳くらいから?
働く理由は、最初は「自分の学費や娯楽費を稼ぐため」が多い。
データを見ると、仕事への向き合い方は「年齢」と「生活環境」で大きく変わることが分かります。
今回は、厚生労働省の「若年者雇用実態調査」をもとに、“仕事の自覚はいつ育つのか?”を考えてみました。
※ 本文では、主に15~24歳、25~34歳の年代別データを中心に読み解いています
参考にしたデータ
厚生労働省が5年ごとに実施している「若年者雇用実態調査」です。
対象:全国の事業所で働く 15~34歳(約17,000人)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/4-21c-jyakunenkoyou-r05.html
① 働く理由は、25歳前後で変わる(男性)
男性の場合、25歳頃から働く理由の中心が変わっていきます。
25歳以降は、「主たる稼ぎ手として生活を維持するため」が最も高くなります。
- 25~29歳:73.6%
- 30~34歳:79.5%
年齢が上がると、 “稼ぎ手としての意識”も高くなる傾向です。
② 女性は「稼ぎ手の位置づけ」が変化する
年齢が上がれば当たり前…と思うかもしれませんが、女性の場合は少し様子が違います。
女性では、「主たる稼ぎ手ではないが、生活を維持するためには不可欠」という理由が目立つようになります。
結婚などで生活の変化も影響して、 働く理由が変わっていくのだと思います。
③ 面白いポイント:「同居」と「収入源」
この調査で特に興味深いのが、「同居家族の状況」と「主な収入源」です。
(1)若年層の約7割が家族と同居
家族と同居している若年労働者(15~34歳)は72.5%。
同居している家族の続柄は「親」が40%台で、雇用形態で差が出ています。
- 正社員:親と同居 36.5%
- 正社員以外:親と同居 54.5%
さらに、この同居率は前回(2018年)より -4%。女性に限ると-8%です。
女性の求人や収入が増えることと連動して、親元を離れる人が増えたのかもしれません。
それでも、約7割は同居しています。
(2)主な収入源は「自分」6割、「親」2割強
若年労働者の主な収入源は、次の通りです。
- 自分自身の収入:59.6%
- 親の収入:26%
- 配偶者の収入:11.3%
雇用形態で見ると、差がはっきりします。
- 正社員:自分自身の収入 72%
- 正社員以外:自分自身の収入 34.1%
ここから考えると、28~34歳くらいで、ようやく自分の給与だけで生活する人が増えるのかもしれません。
それまでは、親と同居して
- 家賃や食費を抑えたり
- 遊興費などで世話になったり
というケースも多いと思います。
もちろん、これは悪いことではありません。
ただ、特に24歳くらいまでの「社会に出たばかり」の時期は、自分のことで精一杯でもおかしくありません。
その結果として、冒頭の「自分の学費や娯楽費を稼ぐため」 が多くなるのだと思います。
④ 24歳未満は離職が多い…背景は?
全国的にも沖縄でも、若年層(特に24歳未満)は失業率が高めです。
- まだ働く意識が育つ前
- 社会に出て働く自覚が薄い
- 仕事や職場に慣れていない
- 何が向いているか分からない
- 何をやりたいか分からない
などが重なり、離職が多いのだと思います。
働いていたとしても、
- この仕事を続けていけるかという不安
- この職場でいいのかの迷い
- 先が(将来)が見通せない不安
- 他の仕事に目移りしてしまう
職場の人間関係や仕事に慣れ、 徐々に自信をつけ、仕事の面白味を実感していくまでの間は、 不安定になりやすい時期なのだと思います。
⑤ 1年未満離職の最大理由は「人間関係」
今回の調査で、1年未満に辞めた人の理由で最も高かったのは「人間関係が良くなかった」でした。
定着率の向上を考えると、新卒入社でも中途採用でも、
- 職場に慣れるまで
- 仕事に慣れるまで
丁寧にフォローする仕組みが必要だと感じました。
⑥ 転職意識は約3割。理由は「賃金」と「休日」
今後転職したいかという質問では、31.2%が「転職したいと思っている」と回答しています。
転職したい理由(上位)は次の通りです。
- 「賃金の条件が良い会社にかわりたい」:59.9%
- 「労働時間・休日・休暇のよい会社にかわりたい」:50%
2018年調査と比べると +3.5~3.9%。 売り手市場の中で、より好条件を求める傾向が強まっています。
⑦ 企業側の現実と、若者側の自然な流れ
企業からすると、仕事ができない段階から育て、ようやく任せられる段階になった頃に、
- 求める条件水準が上がる
- 転職を意識し始める
という厳しい現実があります。
一方で本人からすれば、より条件の良い所で働きたいのは自然な流れかもしれません。
- 実力を試したい
- もっと伸ばしたい
- 成長できる職場で働きたい
そう思う若者は多いはずです。
だからこそ企業は、人の成長に合わせて
- 処遇
- 仕事の環境
- 成長を実感できる仕組みなど
を見直していく必要もあるのだと思います。
⑧ 親元を離れることと、転職は似ている
「親と同居」データと合わせて考えると、
- 仕事に自信がつく
- 経済的にも自立が見えてくる
- 親元を離れて自活したくなる
という流れは、転職の心理とも似ているのかもしれません。
成長の段階で「自分の力でやっていきたい」と思うこと自体は、とてもいいことだと思います。
⑨ ただし、転職も一人暮らしも甘くない
とはいえ、ことわざの通り「他所の庭はきれいに見える」ものです。
転職も一人暮らしも、思ったほど甘くなく、理想と現実のギャップに直面することもあります。
「元の職場の方がよかった」
「同居していた方がよかった」
と思うこともあるでしょう。
それでも、人は経験を通してしか分からないことがあります。
⑩ 私の場合:転職も出戻りもOK。ただし“自立”が大事
私が思うに、
- 同じ会社で働き続けるのも良い
- 転職してもOK
- 縁があれば「出戻り」もOK
大事なのは、前向きに動いてみること。
行きついた答えが「戻る」なら、受け入れてくれるのであれば、それもOKだと思います。
ただし大切なのは、お互いが自立していることです。
戻るとしても依存ではなく、自立した相互依存がいい。
- ひとりでもやっていける
- 一緒でもやっていける
そんな大人の関係であれば、 会社でも家でも、良い関係が作れるのではないでしょうか。
まとめ:仕事の自覚は、やはり25歳前後から?
それでも、人は経験を通してしか分からないことがあります。
データを見る限り、「仕事の自覚」が芽生え始めるのは、25歳前後なのかもしれません。
ただしそれは、突然大人になるというより、生活や仕事を通して責任が少しずつ芽生え、様々な経験のなかで培われるものなのだと思います。
余談:60歳になって思うこと
このブログを書いている私は60歳です。数カ月前、還暦の同期会をしました。
そこでみんなが口々に言ったのは、「ウソみたい、全然精神年齢は変わってないけど…」でした。
私も同感です。60歳というともっと円熟した大人だと思っていたら、私も周りも、精神的にあまり変わっていない…。
いつの時点で大人になるのか? そのような話も、いつかまたブログに書ければと思います。


