- 2026年2月の沖縄の雇用環境
- ① 厳選採用
- ② 育成型採用
- ③ 厳選でもなく、育成型でもない場合
- 弊社も③の位置にいる
- 言語化されていない育成の仕組みもある
- 採用を考える際には、育成もセットで考える
2026年2月の沖縄の雇用環境
このブログは、沖縄労働局が毎月発表している
「労働市場の動き」(2026年2月)をもとに、
今の経営環境と採用について考えてみたものです。
https://jsite.mhlw.go.jp/okinawa-roudoukyoku/content/contents/002611138.pdf
2026年2月の沖縄県の雇用状況を見ると、
- 有効求人倍率:1.08倍(季節調整値)
- 新規求人倍率:1.79倍(季節調整値)
- 正社員有効求人倍率:0.72倍(原数値)
となっています。
また、月間有効求人数は31,665人。
前年同月比7.8%減で、28か月連続の減少となっています。
この流れは、まだしばらく続くのではないかと見ています。
さらに、原油価格や物価上昇、物流コストなどの影響もあり、経済や雇用にとっては、今後も下振れ要因が残りそうです。
このような状況の中でも、企業が成長していくために採用活動に取り組むことは、自然なことだと思います。
ただし、これからの採用では、
「どのような人を採るか」だけでなく、
「採った後にどう育てるか」まで考えることが、ますます大切になっているように感じます。
そこで今回は、自社の採用の立ち位置を、
次の3つの視点で考えてみたいと思います。
① 厳選採用
厳選採用とは、
自社に合いそうな人を、ある程度しっかり見極めて採用する方法です。
自社の社風に合う人。
職務が求めるレベルに近い人。
長く続けてくれそうな人。
そのような採用要件を明確にし、
募集内容にもきちんと書いていくことで、
応募者数は絞られるかもしれません。
しかしその分、
本当に採用したい層に時間をかけて向き合えるというメリットがあります。
一方で、募集の間口を狭くするため、
応募人数が減る可能性もあります。
そのため、この方法は、
採用要件や選考基準がしっかり作れていて、なおかつ応募者数もある程度見込める企業に向いています。
最初から応募が集まりやすい大手企業や、
地域の中でも人気のある中堅企業などは、
この考え方を取りやすいと思います。
② 育成型採用
以前のブログ
「人が集まる会社は、育てる仕組みがある」では、左官工を4年で一人前に育てる会社として、原田左官工業さんを紹介しました。
未経験者であっても、
モデリングという手法を使い、
一流の職人の動きを真似る模擬訓練を反復する。
そして、現場での実習と組み合わせながら、
通常10年かかるともいわれる左官職人の技術を、4年で「職人の入り口」まで育てていくというものです。
さらに原田左官さんでは、
4年間の見習い期間が終わると、
「年季明け披露会」として、
社員・家族・取引先の方々と一緒に盛大にお祝いをします。
技術を教えるだけではなく、
人との関わりや節目を大切にしながら、
人財を育てているのです。
このような育成型の会社では、
未経験者であっても、
その職務に必要な最低限の素養や興味があれば、あとは育成の仕組みと周囲の関わり方で育てていくことができます。
そのため、募集では間口を少し広げながら、
「この仕事に向いている人の要素」を明確にしておくことが大切になります。
③ 厳選でもなく、育成型でもない場合
多くの中小企業は、この③に近いのではないかと思います。
①のように、採用要件や選考基準が明確にできているわけではない。
しかも、応募者数も多いとは限らない。
一方で、②のように、
育成の型がしっかりできているわけでもない。
新人を採用しても、
教えるマニュアルはある程度ある。
しかし、教える人によって教え方が違う。
教える側も現場の仕事を抱えているため、
育成に十分な時間や気持ちの余裕を持てない。
その結果、
自分なりに工夫して覚えられる人だけが残る。
ただし、残ったとしても、我流になってしまう可能性もある。
また、そもそも仕事に向いていない人を採用してしまい、1年も経たずに辞めてしまうこともあります。
そうなると、採用を一からやり直すことになり、現場はいつまでも忙しいままです。
弊社も③の位置にいる
弊社も、まだ③の位置にいると思っています。
②のような育成の型を作ろうとしたことは、何度もあります。
しかし、リーマンショックやコロナ禍、
Web化やAI化など、時代の変化の中で、
従来の方法では立ち行かなくなり、
そのたびに再構築をしてきました。
ただ、型を作れなかった一番の理由は、
外部環境の変化だけではないと思っています。
型を維持し、
さらに良くしていく努力が不足していたこと。
そこに大きな原因があるのではないかと感じています。
型というのは、基礎です。
そして、基礎は単純で、単調に見えるものです。
左官でいえば、壁塗りが基本。
営業でいえば、地道な電話や訪問活動。
その単調に見える日々の基本動作を、
どれだけ愚直に続けられるか。
そこが、型を身につけ、
維持していけるかどうかの分かれ目なのだと思います。
日々の仕事に追われると、
つい基礎的な仕事を端折ってしまいます。
その繰り返しによって、
少しずつ基礎が崩れていく。
先輩の基礎が崩れていれば、
新人にも基礎は身につきません。
言語化されていない育成の仕組みもある
もちろん、すべての会社が、
育成制度をきれいに整えているわけではありません。
それでも、定着率が高く、
新人が入ってきても自然と仕事を覚えていく職場もあります。
そのような職場には、
言語化されていなくても、
人を育てる仕組みが、社風や日々の関わりの中に生きているのだと思います。
私自身、営業として多くの会社を訪問してきましたが、うまくいっている会社、しっかりしている組織には、何らかの育成の仕組みがありました。
それは制度として明文化されている場合もあれば、社風や先輩社員の関わり方として根づいている場合もあります。
いずれにしても、
採用と育成が切り離されていない会社ほど、人が定着しやすいように感じます。
採用を考える際には、育成もセットで考える
これからの採用では、
「良い人が来ない」と悩む前に、
自社がどの採用スタンスにいるのかを見直すことが大切です。
厳選採用でいくのか。
育成型でいくのか。
それとも、その中間の現実的な形を作っていくのか。
特に中小企業の場合、
厳選しすぎると応募が来なくなる。
しかし、誰でもよいと間口を広げすぎると、
採用後に現場が苦しくなる。
だからこそ、
採用したい人の条件を高くしすぎるのではなく、
「この仕事に必要な最低限の素養は何か」
「入社後に何を、誰が、どの順番で教えるのか」
を考えておくことが大切です。
採用と育成は、別々のものではありません。
採用を考える際には、育成もセットで考える。
育てる仕組みを考えながら、採用要件を決める。 その視点が、
これからの中小企業の採用には、
ますます必要になっていくのではないでしょうか。


