楽しむこと、それが続ける力

「仕事」と堅くとらえないから続けられる

お二人にとってお笑いは「仕事」というより「楽しみ」。だからこそ15年以上も続けてこられたのだと言います。
「楽しくないことはやらない」
「面白いから自然と続いている」
高校時代、すーずーさんはタレント志望で事務所に入りました。一方、芸人を目指してコンビで事務所に入ったさーきーさんは、相方の退所をきっかけに、年齢の近いすーずーさんに声をかけコンビ結成。芸人を目指していたわけではなかったすーずーさんでしたが、自然とボケとツッコミが役割として定まり、今のスタイルに。
「気づいたら楽しくてやめられなかった」という言葉が示す通り、無理に続けようとするのではなく、楽しめるかどうかが長続きの秘訣なのです。

苦い経験が、成長のチャンスに

二人にとって忘れられない現場のひとつが、パチンコ店での営業でした。勝ち負けの空気が渦巻く中でネタを披露しても、客席は無反応。心が折れそうになる経験でした。
「みんながみんなお笑いを見たいわけじゃない」、そんな状況もある。その気づきが、今では大きな財産になっています。
笑いを届けるだけでなく、色々な心境の人がいる中で「場の空気を読む」「人の気持ちを受け止める」ことを学び、どんな現場でも動じず立ち続けられる強さへと変わりました。仕事でうまくいかない瞬間も、振り返ればターニングポイントになることを実感させられる出来事です。

お互いを補い合う強さ

実は、人見知りのすーずーさん。初対面だと緊張で口数が減ってしまうことも。そんなとき、さーきーさんが場を温めてくれるので安心して舞台に立てます。
すーずーさんは「一人だったら芸人を続けられなかったと思う」と笑います。そんな彼女を支えてきたのが、明るくて人懐っこいさーきーさん。正反対の性格だからこそかみ合い、長くコンビを続けられてきました。
弱い部分を隠すのではなく、お互いに補い合う。ネタ作りでは、二人で掛け合いをしながら組み立てていくため、お互いの視点が欠かせません。
二人の関係はまさに「一人ではできなくても、二人なら続けられる」を体現しています。完璧でなくても支え合えばいい。そう教えてくれる関係性です。

「好き」から広がる挑戦

お笑いに加え、二人はそれぞれの「好き」を伸ばしています。
さーきーさんは漫画をきっかけに薬膳に興味を持ち、資格を取得。他にも興味のある英語の習得など、興味のある、やったことのないことへチャレンジしています。
すーずーさんはネイルが大好きでネイルサロンで仕事をする傍ら、企業とコラボも。
今ではネットショップでネイルチップを販売するほどに広がりました。
「面白そうだからやってみる」というシンプルな動機が、新しいキャリアや表現の形につながる。二人の姿はその実例です。

笑いは最高のコミュニケーション

披露宴の司会を任されたとき、不安そうにしていた依頼主に「大丈夫ですよ、任せてください」と声をかけた瞬間、相手の表情がやわらぎました。ラジオでは、人の話を聞く技術やメールをくれた人の気持ちを読み取れるようなスキルが身に付いたといいます。リスナーから「面白すぎて車から降りられませんでした」とメッセージが届いたことがあり、活力になっています。
「まず自分たちが楽しそうにすること」。それが相手に伝わり、安心や信頼に変わる。
笑いはもちろん、ちょっとした会話や表情も最高のコミュニケーションツールだと二人は語ります。
すーずーさんは、ネイルサロンでの一対一の接客を通じて「質問するだけで相手が安心して話してくれる」と気づいたそう。笑いに限らず、楽しむ姿勢や会話のキャッチボールは、人と人をつなげる大切な力です。

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「まずやってみる」から始まる

お二人は口をそろえて「とりあえず楽しそうならやってみる」と言います。
かつて、すーずーさんは、ゲームセンターでアルバイトをしたときも、「すぐ辞めるつもりだったのに6年も続いた」と笑いながら話してくれました。思ってもいなかった環境が、自分に合う仕事に変わることもあるのです。

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流行をキャッチし、自分の言葉で伝える

さーきーさんは、ネタ作りの参考に、常に最新のトレンドをチェック。SNSや音楽などから「今」の空気を取り込みつつ、自分たちの言葉に落とし込んでいるとのこと。
移り変わりの早い現代社会で何がうけるか、日々アンテナを張り、わかりやすく共感できるネタに仕上げていきます。

「笑っていられるか」で選ぶ

最後に二人が語ってくれた言葉は、とてもシンプルでした。
「これだったらずっと笑っていられるな、と思えることを大事にしてきた」
この考え方があるからこそ、苦しいときも笑いに変えられ、新しい挑戦も楽しめる。仕事や人生に迷ったときに立ち戻れる、大切な指針になりそうです。

未来の展望

東京で漫才を披露する機会があり、当初は不安もあったが終わってみれば、「笑い」は全国共通だと思えた。と、さーきーさん。
「県外での賞レースにもチャレンジしたい」
「番組を持ちたい」
そう語る眼差しからは未来への期待でワクワクする気持ちが伝わってきた。
好きなことを仕事に活かしながら、お笑い一本にこだわらず、自分たちらしい表現を続けること。
大きな夢も大切ですが、身近な「好き」を大事にする二人らしい姿勢から、今後の活躍が期待されます。

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